居酒屋経営・開業までの流れ

はじめに開業を成功させるには、あなたの燃えるような情熱が必要です。 開業したいと思う情熱と、開業してから店を繁盛させたいと思う情熱。 経営者であるあなた自身が成長したい思う情熱や、あなたと共に成長する仲間を幸せにしたいと思う情熱。 そして、お客様に食の楽しさや豊かさを感じて欲しいと思う情熱。 それらの情熱が、強いお店をつくり骨太な経営を継続させる原動力となるのです。

1. 独自のコンセプトづくりが必要不可欠 

〇成功するための「継続」と「変化」という2つの力

これから開業するときは楽しみと不安のミックス状態。

それは、1号店目の開店でしか味わえない緊張感です。これが、2店舗目を開店するとなるとまた別の感覚となります。一度しか味わえない1号店目の開店を成功させるには、次のことが必要です。

 

①開店当日を成功させる

②2年目を成功させる

③3年目以降を「継続」させる

 

飲食店の廃業率は、開業後2年目以内に 50%が潰れ、3年以内に 70%が潰れ、10 年経営が続く飲食店は、わずか 10%に過ぎないと飲食業界内で一般的に言われています。

だからこそ開店前に大切なことは、開店時、そして2年目、3年目、5年目、10 年目と先のイメージを描くことです。

そのためには、次の2つがポイントとなります。

 

①まずは、自分はなぜ居酒屋をやると決めたのかその動機は何か?

  開業の動機があなたの「志」で、継続の力、原動力となります。

②自店にお客様が来店されたら、そのお客様はどうなるのか?

  そのお客様が地域にたくさん増えたなら、その地域はどうなるのか?この変化の力があなたの使命、あなたの役割です。

 

この2つが明確な経営者ほど、そのビジネスは大きく、広く、深いものになると感じます。

次に、独自性あるコンセプトをつくることです。

①どのお客様に、何を売りたいのか?

②そのお客様は、あなたの店に何を求めているのか?

③あなたのお店の商品はどんな独自性、特徴をもっているのか?

④その独自性をお客様は納得して買ってくれるのか?

 

4つの問いに応えられれば、あなたのお店は、お客様を集客できるでしょう。

でも、悩む場合は、考えを再度整理してみましょう。

「自分視点=お店視点」から「お客様視点」になることが居酒屋開業の成功のカギとなります。 

2. 繁盛店づくりの原理原則を知ろう

開業成功と「継続」営業のために必須な繁盛の原理原則をまずは身につけましょう。

ここでは簡単に7つのことをお伝えします。

①一番商品™づくりの原則

一番商品™とは、一番大きな集客力を生む、自店を代表する商品=名物商品です。お客様がそれを目的に来店してくれる商品のことで、開業成功の為には、絶対に持たなければなりません。

②主力商品づくりの原則

そのお店がどの商品を主として“品揃えるか=「どんな居酒屋」であるか”を、お客様に理解いただくために必要です。いわば、「店の顔」づくりのために主力商品づくりが大切です。

③品揃えの原則

メニュー数を決める時に使います。メニュー構成の品目は、3,5,7の数字の組み合わせでつくられています。

④価格構成の原則

メニュー(フード)や、ドリンクの値段設定、そして、客単価は連動します。

客単価が決まれば、メニューの価格が決まります。メニュー、ドリンクの値段が決まれば、客単価も決まります。

⑤売上アップの原則

あなたのお店を繁盛店にするためには、売上を上げるためのコツやルールがあります。それらを整理したものを「原則」と言います。この「原則」に従えば、「継続」的に営業ができます。

⑥再来店の原則

商売の基本は、お客様の再来店化を促すしかありません。 開業して、継続的にお客様を集客する力=「集客力」は、お客様の動き、心理を知った上のお客様を集客する仕組みです。

⑦地域一番店づくりの原則

お客様の再来店の基本は「地域密着型」です。その地域中で、独自の店づくりをして、確実な売上が取れるためのコツを身につけましょう。

ただし、この原則だけでは圧倒的集客力を継続できません。

「マーケット=市場」が進む、すなわちお客様の成熟度合いが加速的に進むからです。

これが「時流」です。この時流も付け加えていかなくてはなりませんが、まずは「繁盛店づくりの原理原則」を知り、それに取り組んでください。

3. 立地選定、物件の探し方

○対象人口が十分にあること

開業の成功は、対象人口の多さがカギとなります。

物件決定の判断は、売上がとれる=その売上に必要な人口が住んでいるかかどうか。または、繁華街立地や駅前立地ならば、店頭前の通行量があるかどうかで決めます。

居酒屋の基本的な商圏は、大きく分けて2パターン。

 

①郊外型、住宅街の場合は、店から半径3キロメートル。(地方の場合は、5~7キロ)

②繁華街駅前、密集した住宅街の場合は、店から半径1キロメートル。

そこに、どのくらい人が住んでいるか商圏人口を調べましょう。今はインターネットで、市町村別の人口統計表を調べられます。

そして繁華街、駅前立地の場合は、店頭前通行(店の前の通過する人の数)を確認ください。これをもとに、目標売上の見込みを計算します。

 

○地元、あなたがその土地のことが分かる所がよい

まずは、あなたの自宅から近い距離で探しましょう。車の移動で30分圏内です。なぜなら、その地域は、あなた自身に馴染みがあるからです。地元の情報に通じていた方が、地域密着の営業ができる可能性が高くなります。

店が自宅から遠いと移動時間が長くなり、深夜となるとその行き来が大変になります。

そして、それは人を採用する場合も同じです。お店の近所に住む人の採用が第一です。歩きか自転車で来られる距離です。勤務する方も、近所がよいのです。バイクや車通勤、電車通勤となれば、移動中の安全面、そして交通機関の時間の制限もあります。

 

○一番になれる地域を探す

繁盛の原則に“1番になれる商圏を選ぶ”というのがあります。簡単に言えば、あなたがつくりたい店と同業種が少ないことです。あなたが、「焼き鳥屋をしたい!」となれば、同じ商圏内に、焼き鳥屋がない(もしくは、少ない)方が、繁盛しやすくなります。

 

○客単価と立地を合わせること

客単価が高い場合、とくに気をつけましょう。たとえば、客単価5000円のとき、それを使ってくれるお客様の多いところに出店します。繁華街や百貨店などの多くの人がいる大商圏、そして、高所得者の多い住宅立地です。

 

○間口は大きく、テナント店は角店を

物件判断の決め手は、“間口の大きさ”です。その目安は、2間(3,6メートル)以上です。

繁盛店の第1条件は、店の入りやすさ=間口の大きさです。

テナント店の場合は、角店を選んでください。間口の広さと、奥行きが感じられるため、店が大きく見えるものです。

 

○店舗が道路から見える

郊外型の場合は、道路から店舗が一目で見える方がよいです。

奥まった物件の場合、大きな看板が必要です。

 

○居抜き物件は、要注意

居抜き物件は、要注意です。飲食店撤退物件は、おすすめしません。それは、失敗した理由があるからです。もしも、どうしても開店するならば、すべて1から改装してください。

4. 開業に向け必要な一式・一覧表

開業前にやらなければいけないことが大変多いです。開店日はお客様に集中できるように、次の一覧表をご活用ください。

 

  必要なもの 誰が いつまでに どこに チェック
商圏マップ          
基本コンセプト          
売上見込みと店舗損益          
投資金額、返済金額          
融資先、融資金額のめど          
⑥  店舗面積と、レイアウト案           
商品コンセプトと、メニュー全体構成          
⑧  開店までのスケジュール           
開店時のチラシ          
⑩  食材取引先           
⑪  器一式          
⑫  調理器具          
⑬  備品一式          
⑭  消耗品一式          
⑮  メニューブック(メニューたて)          
⑯  開店告知ボード作成、看板          
⑰  店内 POP、ボード一式          
 レシピ表          
仕込み表           
⑳  シフト表          
面接、採用          
トレーニング、ミーティング          
ユニフォーム          
ハウスルーム(店のおきて)          
㉕  レジ、一式          
釣り銭、売上金の流れ、銀行口座          
通信関係          
日報、月次報告書          
許可証、申請一式          
  ①食品営業許可証申請   店舗完成の10日程前まで 保健所    
  ②防火管理者選定届け    営業開始まで  消防署     
  ③防火対象設備使用開始届け     使用開始7日前まで 消防署     
  ④火を使用する設備などの設置届け   設備設置前まで 消防署    
  ⑤深夜酒類提供飲食店営業開始届出書   営業開始の10日前まで 警察署    
  ⑥個人事業の開廃業等届出書   開店日から 1ヶ月以内 税務署    
  ⑦労災保険の加入手続き   雇用日の翌日から 10日以内 労働基準監督署    
  ⑧雇用保険の加入手続き   雇用日の翌日から 10日以内 公共職業安定所    
  ⑨社会保険の加入手続き   できるだけ速やかに 社会保険事業所    

A3サイズの紙に書き出して、開店準備室に貼りましょう。これを、見ながら点検・確認して、漏れのないように開店日を迎えましょう。

また、開店用発注リストも必ず作成しましょう。

それぞれ外注するのか、直接買い出しするのか、また自身で作成するのか。

リスト化し、役割分担を決めて、どれだけの数が必要かなど、事前にしっかりと準備しましょう。

 

 

 

各業者に過不足を確認し、アドバイスをお願いするのもいいかも知れません。

居酒屋経営は難しい?気になる成功率やリスク

 

開業から10年後の姿を思い描こう

○「継続」がすべて

あなたは開業することが目標ですか?それとも、開業してお店を繁盛させることですか?また、その繁盛ぶりを「継続させる」ことですか?

開業を楽しみにしているあなたにはショックな話だと思いますが、飲食店の廃業率の高さは前述したとおりです。開業2年以内に50パーセントが閉店。さらに、3年以内に70パーセントがなくなります。10年継続営業できている居酒屋は、わずかに10パーセント。となれば、90パーセントは閉店しているわけです。

 

とても大事なのは、開業から1年間と、その2年目です。

開業したその年は、“ご祝儀”売上です。勝負は、2年目となります。2年目があなたの店、あなた自身の力量“本来持っている力”と言えます。

だからこそ、あなたが開業からイメージする自分自身の経営設計=人生設計をしっかり立てておきましょう。

居酒屋経営にはいくらかかる?必要な資金の目安

 

開業資金・投資計画の立て方

○いくらまで投資してもよいのか?

投資金額の目安は、目標とする年商÷2=開業投資金額となります。

例えば毎月400万円×12ヶ月=4800万円を目標とする場合は、その2分の1の2400万円が初期投資の上限金額となります。これは3年で投資したお金を回収するという意味です。

商売の1つのめどは、3年です。3年間継続営業できれば、その先も継続できる可能性が高いのです。初期投資は極力抑えて、集客力に必要な実演演出などの1点豪華主義をおすすめします。

開店日から店は陳腐化していきます。毎年のプチ改装をしていくことが重要です。商品も日々の変化が大切ですが、店舗も同じ考え方になります。

開店資金の調達方法は、2つあります。

 

1つは、日本政策金融公庫の融資制度、2つめは各自治体の制度です。

 

『日本政策金融公庫』は、かつて『国民生活上金融公庫』とは呼ばれていました。元々は一般の金融機関から融資を受けるのが難しい人への資金を融資するところです。新規開店の場合、比較的低い金利(およそ2~3%)で融資を受けることができます。

2つめは、あなたの地元の地方自治体が、各種用意してある制度を活用しましょう。

どちらも、審査があります。そのために『事業計画書』の準備が必要です。下記を活用して準備しましょう。

●コンセプトシート(基本) 

 

①あなたはなぜ開店したいのですか? ②どんなお客様に来てほしいですか? ③そのお客様に、どんな商品、店、サービスを提供しますか?
⑧いくら売りたいですか?いくら、 収入がほしいですか? 最後に、あなたの店のお客様がその地域に多く増えたら、その地域はど うなりますか?  ④あなたの提供するものは、お客様にとって、価値はなんですか?=他店、他社にはない、独自の特徴はなんですか?
 ⑦どのような店づくりをしますか? お客様にとっての価値はなんですか?  ⑥あなたの店は、何をメイン=主力の品揃えをしますか?その商品の独自の特徴はなんですか? ⑤一番商品はなんですか?その独自の特徴はなんですか? 

各種機関からの融資の返済期間は、設備投資分は10年間、運転資金は5年間と決まっています。

 

 

大切なことは、月々の元本返済金額<税引き後利益+減価償却費>を目指すことです。これは、利益が出ていても、その利益より返済金額が大きいと資金ショート=支払いができない状態になります。「黒字なのに倒産する」とは、この状態を言います。

居酒屋の経営は儲かる?開業後の年収目安

 

居酒屋を開業して経営を継続するために、いったいくら売ったら、どのくらいの収入と儲け(利益)を得られるのかを知ることで、あなたの「夢」が目標となります。

 

自分の夢を目標にする方法

居酒屋の基本的数字を把握して、あなたの思い描いている利益と、収入をまずは計算してみましょう。

次の表は、月次損益表(簡易版)です。一般的な居酒屋のパターンです。見てみると一目瞭然です。

その利益率は10%です。 ただし、日本国内の会社の中で、利益が出ているのはその30%です。その中でも、さらに優良企業が目指すは、利益率15~20%です。

確実に売上をあげることと、利益を出す仕組みをもつことです。

その目安は、次のとおりです。

①原価率…一般的中に30~38%(商品提供に必要な食材費、ビールやワインなどのドリンク費)

②人件費率…25~30%(経営者、従業員分)

③水道光熱費率5%(水道、電気、ガス代)

④家賃費率5~7%(家賃、駐車場、倉庫)

⑤その他消耗品率5%(消耗品、備品、通信費など)

⑥交通費率2%(ガソリン、その他交通費)

⑦保険費率6%(人と車、店等の保険費)

⑧販売促進費3%(チラシ、割引金額など)

⑨減価償却費率5%(厨房機器などの固定資産=設備投資分を長期間にわたって費用配分する計算方法で5%は1つの事例。お店により異なります。)

この総経費の合計は、約90%となります。そこで、売上100%-90%=営業利益比率10%となります。

その10%から融資を受けている場合の返済、利息を支払います。

さらに、その残りの2分の1が税金です。つまり、その残りの2分の1がお店の儲けとなります。

たとえば、月商400万円の場合(1日平均売上が16万円)で、人件費25%と考えると総額100万円です。

16万円売るのに、必要人員はあなたを含めて、5人とします。その際の人時売上高を4000円とします。人事売上高とは、1人当たり1時間でいくら売上をあげるかの数値です。

ですから、100万円÷5人=20万円となります。給与は20万円で、各種保険を引いて、手取りが約16万円となります。

ここで大切なことは、人時売上高の高くとれる居酒屋をやることです。

あなたのイメージするお店、売上、人員数、あなたが欲しい給与と、その儲けを整理してみてください。

しっかり給与を取れるお店をつくろう

あなたにとって、この開業は様々な思いを実現するためのスタートです。たとえば、安定した高い給与や、定期的な休日・休暇をとり、豊かな時間を過ごしたい。また、もっと多くの人達の豊さや、幸せを実現したい、その思いは様々で深いものだと思います。

そのためには、この1店舗目の確実な成功が必要不可欠です。

月次損益計画表を作成して、あなたのイメージを数字にしてみてください。より開店が具体的になってくるはずです。

 

しっかり給与を取れるお店をつくろう

あなたにとって、この開業は様々な思いを実現するためのスタートです。たとえば、安定した高い給与や、定期的な 休日・休暇をとり、豊かな時間を過ごしたい。また、もっと多くの人達の豊さや、幸せを実現したい、その思いは様々 で深いものだと思います。

そのためには、この1店舗目の確実な成功が必要不可欠です。

月次損益計画表を作成して、あなたのイメージを数字にしてみてください。より開店が具体的になってくるはずです。 

 

 

●月次損益計画表

また、開店資金の準備がとても大切です。計画的に毎月の貯金をしてください。

たとえば社会人1年生から、毎月3万円ずつ、10年間貯めて合計360万円です。このとき、この人はは30歳を迎えていると思います。

開業は、若くて早い方が良いと思います。発想豊かで、5 年先を見据えて、今何をすべきかと実行力があり、勢いが あるので一緒に話をしたり仕事をしていると、とても楽しく刺激になるものです。

居酒屋経営に必要な資格や届出

 

開店に必要な資格は2つある!

まず1つめは、『食品衛生責任者』です。

食品衛生上の管理運営にあたり、飲食店を営業するには、必ず1店舗に1人必要です。

開店のときに、保険所に「食品衛生責任者」の届け出をします。「食品衛生責任者」になるには、各地の各都道府県で行われている講習会を受けてください。受講料は、約1万円程度、通常1日です。ただし、調理師、栄養士などの免許を持っている方は自動的に取得できます。

 

2つめは、『防火管理者』です。

店の収容人員が30人超えの店は、「防火管理者」をおく必要があります。延床面積が300㎡(約90坪)以上の場合は、甲種防火管理者、300㎡(約90坪)未満の場合は、乙種防火管理者となります。

あなたのお店の規模に合わせて、各地の消防署に問い合わせてください。消防署で講習会を受講料3000~5000

円程度で受けられます。講習期間は、通常甲種は2日、乙種は1日となります。

開店に必要な各届け出は?

 

飲食店は、以下の種類があります。 

届出 対象 届け出先 届け出時期
①食品営業許可証申請 全店舗 保険所 店舗完成の10日ほど前まで
②防火管理者選定届け 収容人員が30 人以上 消防署 営業開始まで
③防火対象設備使用開始届け 建物を新たに使用し始める場合 消防署 使用開始7日前まで
④火を使用する設備などの設置届 火を使用する設備を設置する場合 消防署 設備設置前まで 
⑤深夜酒類提供飲食店営業開始届出書   深夜12時以降も酒を提供する場合 警察署 営業開始の10日前まで
⑥個人事業の開廃業等届出書 個人で開業する場合 税務署 開店日から一ケ月以内
⑦労災保険の加入手続き 従業員を雇う場合 労働基準監督署 雇用日の翌日から10日以内
⑧雇用保険の加入手続き 従業員を雇う場合 公共職業安定所 雇用日の翌日から10日以内
 ⑨社会保険の加入手続き  法人の場合、強制加入。個人は任意 社会保険事業所 できるだけ速やかに

これをみると、事前に段取りよく進めなくてはならないと感じていただけると思います。

表の③④は、店舗づくりの際に、お世話になる設計・設備・施工の業者があなたに代わって、行ってくれる場合もあります。

会社設立に関する⑥についても、代行業務として、司法書士・行政書士といった専門のサポートを受ける方法もあり ます。

また、⑦⑧⑨は、社労士の代行業務もあります。

いずれも費用が発生するものですから、開店前にやるべきこととして、開店準備のスケジュールに落とし込みしてください。

居酒屋経営のメリット・デメリット

 

 

自分がつくった商品の良し悪しが瞬時にわかる商売

開業成功は、すべて経営者で決まります。 さて、お店を開店してあなたが最初にあじわう喜びは、開店初日の最初のお客様の存在によってです。そして、2度 目、3度目と、顔を出してくださるお客様は、本当にありがたいものとなります。 

 

このように飲食店の経営ほど自分のつくった商品が目の前で評価され、良いも悪いも即時に分かる商売はありませ ん。人々のお腹を満腹にするだけでなく、心も豊かに楽しくさせることができる商売です。居酒屋経営の醍醐味は、 ここにあると思います。 一方、営業を続けていくと、必ずお客様からのお叱り、ご意見・ご要望をいただくときがきます。 どんなときにもあなたの心が折れないように開店前に開業の思いをノートにしたためて残しておきましょう。

「この店で働くの、楽しい!」と仲間が思ってくれるか

 共に働いてくれる仲間が全員、「この店で働いて楽しい!」と思ってくれたら、あなたの店は大成功です。ただし、仲良しグループではありません。しつけ=社会人、店のルールをしっかり守れて、その上で店のコンセプトを知り、店の目標を共有していて、個人目標も明確にして、個人成長を実感できるお店。この状態をつくりあげるのが「継続」のためのすべてです。

 

そのために、仲間との時間をつくりましょう。

①お店の目標や商品情報の共有化するためのミーティングを行う(1ヶ月に1回、1~1,5時間)

②それぞれの成果を認め合う達成会や懇親会を開催する。(1~2ヵ月に、1回2時間)

③個別の面談を行う(毎月1人30分程度)

④まかない会を開催する。これは、商品を食べながら、商品を学ぶ場とする。(毎月1回、1,5時間)

 

これは、神奈川県にあるイタリアン繁盛店の実例です。

このお店で働きたいと希望する人のウエイティングが出ている繁盛店です。

人の採用がむずかしい中、全国的にみても珍しいことだと思います。

もともとランチとディナー営業をする店でしたが、夜営業に集中。それから3年間、売上がそれまでの2倍以上に上がっている店です。

その取り組みは、ワインとメインディッシュのおいしさ説明の取り組みでした。

はじめに、メニュー説明が5~7分間あります。スタッフがワインを6本テーブルに抱えてきます。その説明で全部飲みたくなるほどのおいしさ感が伝わってきます。だから、思いっきり飲んでしまい、支払いもそれなりに高くなりますが、大満足して、また来たいと思います。

 

「どうやって皆さん、おいしさ説明を楽しそうにできるんですか?」と社長に質問しました。すると、週に1度早めに店じまいをして、スタッフ同志のまかない会をやっている」とお話くださいました。メニューをつくり皆で食べながら、「私はこんな風に説明してるよ」と先輩たちが後輩に教えます。後輩スタッフはそれを学び、次のサービスで実際にやってみる。すると、お客様から「ありがとう、おいしかったよ」と、誉められたりするのだそうです。

また、お客様だけではなくスタッフ同士でほめ合う場所があると、そのスタッフは伸び伸び、イキイキ楽しそうに仕事をしていると語ってくれました。仲間同士がお互いを認め合う社風は、本当に素晴らしいです。

 

あなた1人の力でお店の成功はなし得ません。

どうぞ、よきご縁をもらい、仕事のパートナー・従業員・各業者の方々・尊敬できる経営者の仲間。そして、地元のお客様と一生のお付き合いができるような、地づくりをおこなってください。

あなたのお店の成功を心から祈っています。

 ■監修

株式会社五感コンサルティンググループ

五感刺激マーケティング®コンサルタント 高木雅致


繫盛店の商品開発ノウハウ・事例集から繁盛のポイントを掴もう!

<講師紹介>

㈱骨太経営 代表取締役社長 高木雅致 (たかぎまさかず)

成熟した飲食業界において、新しい視点からの「五感刺激マーケティング®」を構築。その手法を応用し、繁盛店づくりに数多くの成功事例をもつ。経営者のためのマーケティング勉強会「経営戦略クラブ」や「五感塾」「店長塾」なども実施している。


㈱シズル 代表取締役社長 藤岡千穂子 (ふじおかちほこ)

ベーカリーコンサルタント33年。

“繁盛店づくりは、人づくり。”お客さま視点の商品、売場、販売の繁盛店づくりのノウハウには定評がある。難解なマーケティング理論を、事例豊富に交えて楽しく話し、儲けのコツをパン職人、パートアルバイトにまで伝えていくスタイルは、“わかりやすい”と評判。モットーは、「にこにこ、キラキラ・元気」

 

 


㈱バリュー 代表取締役社長 木下尚央之 (きのしたなおゆき)

既存店の活性化、新業態開発など飲食店の集客方法や利益化に精通しているが、特にメニューマーケティングを基にした活性法は投資対効果が高く、その手法でよみがえった店舗は全国に数多い。

講師依頼や専門誌など執筆多数。

最新集客事例とその具体写真が

満載のレポート『繁盛のルール化』

を刊行。営業中の店舗に訪問し、

後日その店の活性化具体策を提案する『集客力診断』を全国で実施している。  

 

 


フードボロス 代表取締役社長 湖﨑一義 (こざきかずよし)

累計100社以上、全国の企業の業績UPに従事している。クライアントの年商規模は、5,000万円~350億円と幅広く、個人店から東証一部上場企業までお付き合いしている。既存店の業績UPはもちろん、新店開発でも営業利益率20%以上の繁盛店づくりを実現している。

【最近のコンサルティン実績(一部)】

●イタリアンからハンバーグ店のリニューアル支援で、昨対売上318%を達成

●ホルモン焼肉店の新店開発で月商1,000万円超えの繁盛店をプロデュース

●そば店の新店開発で3055席の規模で月商1,300万円のお店をプロデュース

●焼肉店の業績アップ支援で、順調に売上を伸ばし、年商15千万円を達成

●居酒屋の支援で、五感刺激マーケティング®を実践してもらい、1年後に昨対売上159%を達成